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鉄錆廃園

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サンタクロースは白い恋人 前編

 ……皆さまお久しぶりでゴザイマス。
 今年はホントに全然更新できなくて申し訳ゴザイマセン。
 一年の終わりに何かひとつくらいはと、リクエストいただいたクリスマスのお話をUP致します~。
 お題は某有名なクリスマスソングでしたが……ニュアンスくらいは入れられた……でしょうか;;
 あうう。大丈夫かなぁ~。

 てゆーか。こないだの某医者ドラマに出てた小西君かっこよかったですね~( *´艸`)
 最近は関東ローカルじゃなく、全国ネットのドラマに出てくれてホント嬉しい(*^_^*)
 
 それでは、とりあえず前編からドウゾ。



 
「サンタクロースは白い恋人」 前編

 十一月の終わり。
 真夜中の都会の闇に、一筋の閃光が弾ける。
 一瞬のそれを目にした者は皆無。
 闇の奥で始まり、終わった闘いを知る者もいない。

『今日は楽勝だったな、鋼牙』 
 カチリ、と笑った魔導輪がまるで己の勝利のように誇らしげに言うのを、鋼牙は軽く眉を上げて見やる。
「……そうだな」
 北の管轄に移ってしばらくが過ぎた。
 幼い少年の姿をした北の神官は、その可愛らしい顔でニコリと笑いながら、次から次へと指令を押しつけてくるのが常だ。さしたる強敵はいないが、数が多いとさすがに辟易としてくる。
 今夜は女のホラーだった。
 心変わりした男を恨み、ホラーとなって喰い殺した。
「……最近はあんなホラーが多いな」
『まあ、今は仕方がないだろうな。人間の雄と雌には重要なイベントらしいしな』
 カチリ、とザルバが見上げた先にあったのは、青い電飾でこれでもかと飾りつけられた木々が並ぶ通りだった。真夜中だというのに、その下にはまだ人々の流れがある。
 カオルに『世間知らず』と度々評される鋼牙だったが、さすがにクリスマスという派手なイベントくらいは知っていた。
 自身とは関係ないが、陰我が増える厄介なもの、というのが鋼牙の認識だったのだが、ザルバが続けた言葉に思わず目を見開いた。
『……それで。お前さんはカオルに何をくれてやるんだ?』
「!?」
『クリスマスプレゼントとかいうやつ、やるんだろ?』
 興味津々、といった様子のザルバに、思わず眉間の皺が深くなる。
 正直、何も考えていなかったというのが正しい。
 イタリアへの留学からカオルが帰ってきて、また同じ屋根の下で暮し始めてしばらく。互いに想いを確め、一応『恋人』というものになったらしいが、カオルはひたすら毎日絵を描き、自分は自分で魔戒騎士としての使命に忙しく……。つまり生活には何の変化もなく、自覚というものが欠如していた。
 その鋼牙の沈黙から答えを読み取ったザルバは、
『……お前さんがそんなこと考えてるわけもなかったか……』
 と、気まずそうに呻いた。
「……必要なことなのか、それは」
『……俺様に聞くな。だが、まあ必要なんじゃないのか?』
 この時期に陰我が増える原因のひとつには、それも含まれているのだろうから。
「……だが、何を贈ればいいんだ?」
『……それこそ俺様に聞くな。カオルに直接聞けば済むだろうが』
 呆れたような魔導輪の言葉にまたしても重く沈黙した鋼牙は、屋敷ではなく別の方角へと足を向けた。

*****

「……んで、俺はそんなくだらねーことのために朝っぱらから叩き起こされたわけ?」
 東の管轄にある、零の家……というよりは住処。
 主は不機嫌そのものの顔つきで、寝癖の残る髪をがしがしとかきむしりながら、目の前に立つ、らしくなく悄然とした様子を匂わせた黄金騎士を睨みつける。
『絶狼はつい一時間前に寝たばかりなのに。相変わらず空気が読めない男ね』
 相も変わらず、主以外には手厳しいシルヴァの抗議に、眉根に刻まれた皺が少しばかり深くなるが、「はい、そうですか」と引く鋼牙でもない。
「……カオルちゃんへのクリスマスプレゼントねぇ。てゆーか! カオルちゃん帰ってきてたなら教えとけよな!」
「……その必要はない」
 教えを乞いに現れたとは思えない、不承不承といった口調に零の眉が跳ね上がる。
「てめ……! こんなことでもなきゃ言うつもりなかったな!?」
「…………」
 無言は何よりも雄弁な肯定の返答に他ならない。
 零のカオルに対する微妙な気持ちを察しているわけではないのだろうが、動物的な本能で彼を彼女に近づけまいとしているのだろう。
 ついこの間までは自分で血統が絶えても構わないと豪語していた男と同一人物とは思えない。こんな男に人間らしい感情を呼び戻したばかりか、更に変化を与えているカオルは本当に偉大だ。
 自分もクリスマスにあやかって何か贈ろうかなどと思いつつ、寝入りばなを叩き起こされたお返しに意地悪のひとつでもしてやろうかと思いもしたが、そうするには今の零には鋼牙に対する負い目がまだまだ大きすぎた。
「……ったく。しょーがねぇなぁ」
 長めの猫っ毛をかきあげ、零は苦笑と深い溜め息をこぼす。
「よぉ~くカオルちゃんのこと見てみろよ。彼女にとって今何が必要なものなのか、わかるんじゃねぇの?」
「……カオルに、必要なもの……」
「そ。プレゼントってやっぱり、そういうのの方がいーんでないの?」
「……そうか。休んでいる時にすまなかった」
 神妙な顔つきでそう言った黄金騎士は、来た時と同じように唐突に踵を返すとドアの向こうに消えていった。
『もう! なんなのよ! お礼くらいちゃんと言ったらどうなの!?』
「……まあまあ、シルヴァ。いーじゃないの。ちょっとは借りを返したと思えばさ」
 まあ、当の本人は零に貸しを作ったなどと、微塵も思っていないのだろうが。
「まあせいぜい頑張れよ」
 この俺がすっぱり諦めてやるんだから。ちゃんと幸せにしてやらなきゃ、絶対許さねぇからな。
 本人に向かっては絶対に口にしないだろう言葉を胸の内で呟きながら、零は再び眠りの海に飛び込むべく、少し堅いベッドに身を横たえた。


*****


 ちくちく、ちくちく。
 項を刺すような視線を感じて、カオルは何やら居心地悪く身動ぐ。
 今朝鋼牙が指令を終えて戻ってから、何やら見られている気がすると思ったのはやはり間違いではなかったらしい。
 カオルは読んでいた雑誌から、がば、と顔を上げるとその勢いのままに後ろを振り返る。すると鋼牙は「む」と眉間の皺を一瞬深くして視線をあさっての方向へさ迷わせた。
「……鋼牙」
「……なんだ?」
「……なんか、言いたいことでもあるの?」
「……何故そうなる?」
「なんか見てるから」
 また、鋼牙の眉根がぐっと歪む。
 表情は動かないが、かなりその胸中を読めるようになってきたカオルの目には、「ばれたのか」と言っているように映る。彼は自分の目力をイマイチわかっていない。
「……いや。何を熱心に読んでいるのかと……」
 カオルにしては珍しく、絵画関連の書籍ではない。何かのカタログのような雑誌なのだ。
「え? ああ、これ? 実はね~。二十五日のクリスマスに出版関係のパーティーに招待されて……」
 イタリアに留学中、カオルは絵のコンクールで賞を獲得し、それが美術関係の本に載ったのは記憶に新しい。そこで更にカオルの名を売ろうと出版社に勤務している友人の亜佐美が大きなパーティーの招待状を手配してくれたのだという。
「それでね~。パーティーに着ていく服を探してるんだけど、こんなのどうかな~?」
 とカオルが示したページには、クリスマスツリーとやらを模したオモチャのような安っぽい服が何種類か載っている。
「…………」
「なんかこう、笑いをとったら名前覚えてもらえてお仕事もらえるかな~なんてね」
 えへへと笑っているが、彼女の場合これが割りと本気なのだから困るのだ。
 それなりのパーティーにそんな格好で行っても仕事に繋がるはずもないというのに。
 とりあえずたしなめようと口を開きかけた鋼牙だったが、他ならぬカオルの「あ!」という叫びに遮られる。
「今日は約束があるんだった! あ。こっちの出版社の人に時間もらえてね! 絵を見てもらえるの!」
 バタバタと荷物をまとめて、カオルはあっという間にドアの前に立つ。
「ごめん! 夜には帰るから~!」
 まるで旋風のように辺りを巻き込んで、ドアの向こうに姿を消したカオルを呆然と見送った鋼牙は深く息を吐く。
「……鋼牙様」
「……ああ。わかっている」
 あんな衣装でいいはずがない。カオルにとって今は大事な時期なのだ。
「……ゴンザ。至急手配を頼む」
「はい。幾通りかデザインを御用意いたします」
 カオルにとって、今必要なもの。
 鋼牙のクリスマスプレゼントが決まった瞬間であった。 



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  1. 牙狼・鋼カオ
  2. / トラックバック:0
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  1. 2016/12/17(土) 16:20:03 |
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  1. 2016/12/21(水) 22:00:16 |
  2. URL |
  3. とらこ
  4. [ 編集 ]
こんばんわ、まー母さん様。
ホントにご無沙汰してしまいまして、申し訳ゴザイマセン。
陸の孤島……確かに!! 
2番組ともステキでしたね~。ピン子、触りすぎとか思ってましたw
久々に書いたのでか~な~りキャラ崩壊注意ですが、楽しんでいただけるようにがんばりまっす!
続きは……できればクリスマスに間に合うようにしたいのですが、万が一間に合わなければスミマセン!

管理人のみ閲覧できます

  1. 2016/12/28(水) 14:32:49 |
  2. |
  3. [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

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  1. 2016/12/28(水) 16:03:25 |
  2. |
  3. [ 編集 ]
このコメントは管理人のみ閲覧できます

年の瀬ですね。

  1. 2016/12/30(金) 05:25:19 |
  2. URL |
  3. つぐの
  4. [ 編集 ]
とらこさん
ご無沙汰です。
HDリマスター終わってしまいましたね。やはり1期は全部見ても見飽きないですね。牙狼ファンとしてはMAKAISENKIのHDリマスターも見たいですね。なんにしても放送を終わって欲しく無かったです。
鋼牙のプレゼント編
カオルへ無事渡せることを祈ります。🤞

  1. 2016/12/31(土) 16:53:58 |
  2. URL |
  3. とらこ
  4. [ 編集 ]
こんばんわ、しおしお様。
お返事が遅くなってしまいまして申し訳ございません。
リクをいただいてケツ叩かれ、ようやく新作UPできました(ヨレヨレ)
くっつきホヤホヤで、まだ2期の夫婦感漂う前の二人の感じ、ちゃんと出てるといいのですが。
今年も本当に、本当に色々お世話になりました。来年もあまり更新はできないかと思われますが、よろしくお願いいたします<(_ _)>
よいお年をお迎えくださいませ。

  1. 2016/12/31(土) 16:57:44 |
  2. URL |
  3. とらこ
  4. [ 編集 ]
こんばんわ。そして初めまして唐辛子様。
読んでいただいてありがとうございます~。
鋼牙は色々ワイルドだけど、基本はお坊ちゃんですよね~。そこがまたカワイイのですが。
なるべくお話更新できるように頑張りますので、来年もよろしくお願い致します~。
良いお年をお迎えください。

  1. 2016/12/31(土) 17:00:08 |
  2. URL |
  3. とらこ
  4. [ 編集 ]
こんばんわ、つぐの様。
終わってしまいましたね~。やっぱり1期はいいです。うん。何度見てもきゅんきゅんします。
後編、ようやくUPできましたが……。いかがだったでしょうか?(ハラハラドキドキ)


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とらこ

Author:とらこ
ど田舎在住の超インドア人間。
牙狼とV系の音楽をこよなく愛してます。

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